学園広報誌「TDU Agora」2023年5月号から『特集』はたらく学生をご紹介します
本学では現在、50名を超える「学生職員」が、大学で働きながら卒業を目指し、勉強を続けています。学生職員の職場や仕事内容は、実験室・実習室での業務、大学内の事務サポートや地域連携に至るまで、多岐に渡っています。
また、2018年度から工学部第二部で募集を開始した、総合型選抜「はたらく学生入試」は、2022年8月に、文部科学省が大学入学者選抜における好事例を選定した好事例集にも取り上げられるなど、高い評価を受けています。
■ 対象学部 工学部第二部
■ 募集人員 若干名(学部全体の募集人員は180人)
入学後、昼間は本学「学生職員」として働きながら、夜間は工学部第二部(夜間部)で学ぶことができ、入学検定料は免除されます。
工学部第二部長からのメッセージ
工学部第二部長
吉田 俊哉 教授
「はたらく学生」入試は、大学で学びたいという強い思いがあるにもかかわらず経済的な事情等で断念せざるを得ない方を何とかサポートできないかという思いから立案されました。
この入試制度の実施以前から本学には「学生職員」という制度があり、学生として学びながら本学の職員として働ける仕組みがありました。しかしこの制度が広く周知されていたわけではなく、かつ、その職への応募や採用が入学後に行われるため、経済的な事情で学びを断念していた方の後押しにはなっていませんでした。
この入試制度では、入学資格を得る(合格)と同時に就職が約束されるため、このような方を後押しできると考えています。
昼間は大学で働きながら夜は大学で学ぶ工学部第二部の学生や、昼間は工学部で学びながら、夜は工学部第二部の実験室で働く学生など、その働き方は様々です。
今回は、実際に大学で働いているはたらく学生の皆さんにお話を聞きました。
機械工学科実験管理室 学生職員(はたらく学生入試で入学)
はたらく学生になったきっかけ
将来ものづくりに携わりたいという思いから、大学は「工学部であること」、かつ、一人暮らしのできる「東京エリアであること」、この2つの軸で決めようと考えていました。しかし、私は兄弟が5人と多く、経済的に厳しいという現実がありました。そこで、どうにか条件に合うところはないかと調べていくなかで、本学の学生職員制度を知りました。これなら大学へ通えるかもしれないと考え、はたらく学生入試に挑戦しました。
学業と仕事の両立について
学生職員として生活するにあたって、一番大切なのは学業と仕事の両立です。私は学業と仕事を両立するために、「体調管理」、「時間の使い方の工夫」、「すぐ行動」の3つを心掛けています。具体的には、早寝早起きなどを徹底して健康を意識し、大学の近くに住み、通勤・通学への負担を減らしています。また、簡単な仕事のタスクや、授業の課題などはすぐに取り掛かり溜め込まないようにしています。働きながら学ぶことは、とても大変だというイメージを持っている方もいると思いますが、工夫しながら慣れていくと、充実した生活が送れますよ。
電気電子工学基礎実験室 学生職員
はたらく学生になって良かったこと
職場が大学のため、時間を効率よく使え、移動で疲れるということもありません。
そして何よりも、他学科の学生や副手の大学院生、先生方とお話しする機会があり、人との交流が増えました。
学校に自分の居場所があるかないかでは心の持ちようが全然違います。そんな安心感を得られたことも、大学生活を送る上で良かったことの一つです。
研究推進社会連携センター(地域連携担当)補助職員
仕事内容について
週2回、9時から17時まで勤務していました。イベントを行う日は土曜日も出勤することがありました。仕事内容は、部署HPの改善、小・中学生に向けたイベントの企画、準備などに携わりました。学外の方と係る仕事であったため、「周囲から見られている」という意識を常に持って、節度ある落ち着いた行動を心がけました。また、学生ならではの視点で企画の提案ができるよう、新しい技術(Chat GPTなど)を意識し、友人たちの進路や研究室で何をしているのかなど、積極的に情報を集めるようにしていました。
情報通信工学科実験室 学生職員
はたらく学生になったきっかけ
学業と仕事の両立ができるアルバイトを探している時に、大学のガイダンスで「学生職員」の募集を知ったことがきっかけでした。私は人になにかを教えることが好きで、実験中の学生のサポートができるという点に惹かれました。また、勤務内容に、実験機材のメンテナンスがあったため、授業だけでは学べない知識を学べるのではないかと思ったことも、動機の一つです。
はたらく学生になって良かったこと
はたらく学生になって良かったことは、働きながら身に付けた知識が、学業でも活かせることです。仕事で必要なシステムを開発したり、実験機器の修理をしているうちに、プログラミングや電子工作の技術も身に付きました。
私はもともと人見知りで、人と話すことがそこまで得意ではなかったのですが、はたらく学生の仕事で先生方や学生と話す機会が多くあり、周りの人とコミュニケーションをとることが苦ではなくなりました。
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