2022年6月 キラリ★電大生 チームAID

2022年6月号から「キラリ★電大生」、AIイノベーションアワード2022最優秀賞受賞チーム:AID(所属研究室 データ科学・機械学習研究室)をご紹介します

江戸川乱歩作品をAIで読み解く

~物語を「伝える」ための全自動挿絵生成システムを考案~

みごと最優秀賞を受賞

「AIイノベーションアワード2022」最優秀賞受賞チーム:AID
(データ科学・機械学習研究室)
所属、学年は参加時

情報環境学研究科 情報環境学専攻
鏡川 悠介さん(修士2年)チームリーダー
システムデザイン工学部 情報システム工学科
金田 龍平さん(4年)、高橋 秀弥さん(4年)、岡澤 律来さん(3年)、杉田 拓磨さん(3年)

執筆者の鏡川さん

私達が所属するデータ科学・機械学習研究室は人工知能に関する様々なテーマについて研究しています。今年の3月に、(株)NTTPCコミュニケーションズが主催する「AIイノベーションアワード2022」に研究室のメンバー5名で参加しました。AIイノベーションアワードは未来のAI人材育成を目的とする産学共創イベントです。このイベントでは「ビジネスアイデア&プログラミングコンテスト」が行われ、AIに関する4つのテーマが出題され、書類審査による予選、プレゼンテーション審査による本選を経て受賞チームが決定されます。

私達のチームは江戸川乱歩作品をAIで読み解くというテーマに約2ヶ月間取り組みました。このテーマは江戸川乱歩作品から1タイトルを選び、任意の文章の挿絵をAIで自動生成し、生成した画像が文章に即しているかを競うものです。文章から画像を自動生成する技術は“Text to Image”と呼ばれ、GoogleやOpenAIといった研究機関も積極的に取り組んでいます。文章と画像という2種のデータを操る必要のある複雑なテーマでしたが、そのぶんやりがいも大きなものでした。

コンテスト開始当初から、読者が本当に欲しいシステムであるかということを軸に取り組みました。私達が提案したAIモデルはお絵かきAIコンテストと称して、文章選択から画像生成を複数のAIに担当させ、最終的に最もシーンにマッチした1枚の画像を選択するものです。プレゼン発表時は「物語を伝える」をキーワードになぜ伝えることが可能なのかを論理的に説明できるようにしました。審査員の方々からはアプローチの面白さと画像の生成結果を評価していただき、結果として最優秀賞を受賞しました。


AIの画像生成結果


私は大学院を修了後、働きながら本学の研究生として研究に取り組んでいます。現在は開発したシステムの研究的価値を高めるために論文執筆に取り組んでいます。将来的には、本技術を利用したサービスを完成させ、多くのユーザーに新しい読書体験を提供できるようにしたいと考えています。

コンテスト表彰式での記念撮影

学園広報誌「TDU Agora」Vol.54(2022年6月号) キラリ★電大生より転載

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