2021年11月 今月の顔 三井 和幸 教授

2021年11月号から今月の顔 工学部 先端機械工学科 三井和幸教授をご紹介します

研究室の学生が開発した技術が来年発売の製品に採用(製品名:GS Knee)

工学部 先端機械工学科
三井 和幸 教授

1983年 東京電機大学工学部精密機械工学科卒業、1985年 大学院理工学研究科修士課程修了、1988年 大学院理工学研究科博士課程満期退学、同年 本学工学部助手、 2002年より現職。工学博士。

学生が開発した新素材EAMを応用した 小型電子制御ブレーキ搭載のGS Knee

私の医用精密工学研究室では、新素材を開発し、それを応用した福祉機器やトレーニング装置を開発しています。中でも、研究室の院生・学生が開発したEAM (Electro Attractive Material:電気的吸引材料)と名付けた電圧で摩擦のような抵抗力を制御できる新素材を使った小型電子制御ブレーキ(EAMブレーキ)は、脳卒中後に歩行が困難になった方の歩行練習を支援するGS Kneeという装置に搭載され、藤倉化成株式会社から来年を目標に発売されることになりました(詳細は紙面の関係で省きますが、GS Kneeと検索して頂ければどんな製品かおわかりになると思います)。本学の学生が開発した技術が製品に採用され、複数の医療現場で試験的に何名もの脳卒中の患者さんの歩行練習に使用されているのです。これは本当に夢のようなことで、本学出身の私にとっても大変嬉しいことです。

GS Knee(写真左)と装着された下肢装具(写真右) [藤倉化成株式会社のホームページhttps://www.fkkasei.a.jp/rad/dp.htmlより]

夢や憧れが人生を楽しくする

小学生時代の私は運動が苦手で勉強も嫌いな目立たたない子供でした。そんな自分が嫌で、そのころアニメや漫画で流行り始めていたサイボーグに憧れ、運動ができるようになるためにサイボーグになりたいと本気で思っていました。中学校でバスケ部に入り、その後は運動ができるようになりましたが、子供の頃の夢は強く残っていて、大学受験では夢であるサイボーグ開発に少しでも近づくため、電動義手を東大と共同開発していた電機大を目指し入学しました。4年生では電動義手関連の卒業研究を、そして大学院では医用工学分野の研究を行い、現在では子供の頃の夢の実現を目指し研究室の学生たちと福祉機器開発を行っています。本学の卒業生である私は、同窓会や校友会の役員をやっている関係で、OB・OGの方と触れ合う機会も多いのですが、皆さん私のように憧れや夢を持って電機大に入り、仕事に就き、社会で楽しそうに活躍されています。やはり夢や憧れを持って人生を送ることは楽しいことです。皆さんも夢や憧れの実現を目指してみてはいかがでしょうか。

三井研究室の名前が入った製品のカタログ

学園広報誌「TDU Agora」Vol.47(2021年11月号) 今月の顔より転載

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