2022年11月 働く電大人 星野 拓吉さん

2022年11月号から働く電大人、三浦市副市長の星野拓吉さんをご紹介します

ゼネコンから公務員に 現在、三浦市副市長

~公務員の道を進むきっかけは知り合いからの情報でした~

神奈川県三浦市 副市長
星野 拓吉さん
昭和59年 理工学部建設工学科卒業

私は、神奈川県の三浦市で副市長として働いています。大学卒業後、ゼネコンに入社した後、地元に戻り小さな建設会社で現場監督をしていた30歳の頃、知人から「三浦市で公共下水道事業が本格化するので、土木技術職を募集しているから応募してみないか」という話がありました。その頃はいわゆるバブル絶頂期、民間会社では給料は悪くないが、「子どももいるし、今までの経験を生かせれば、安定していて良いかな」という単純な思いで三浦市役所の土木技術職の公務員になりました。

2023年で38回目を迎える三浦国際市民マラソン

公務員で働く技術職の中でも土木職の人数は多く、市役所では道路や下水道に関して補修や計画、工事の設計監督を行うほか、神奈川県での業務もあります。加えて台風時などの災害対応など、仕事は多岐にわたります。土木系の係長、課長を経験し、部長になった3年目の年に市長選挙があり、現在の市長が4期目の当選を果たした翌月に、市長とその時の副市長に呼ばれ、「次の副市長をやってもらうから」と話がありました。私の頭の中は人生最大のパニックです。「副市長なんて無理!」「ほかにもいるのに、なんで私?」と頭の中をグルグルと考えが巡りましたが、信頼する友人に相談したところ「絶対に受けろ!」と助言され副市長に就任することを決心しました。それから5年が経っています。

3方を海に囲まれた三浦市

三浦市は神奈川県の南東にあり、3方を海に囲まれた比較的温暖な土地です。南の三崎港は昔から遠洋漁業が盛んで「三崎まぐろ」でも有名です。農業も盛んで「三浦大根」「三浦スイカ」が名産品として挙げられます。「三浦海岸の海水浴場」「城ヶ島・油壷」の観光地など見どころ満載で、たくさんの方に訪れていただいています。一方、行政運営のためには様々な課題があり、各事業の実現に向け、これまでの土木職の経験を活かした土地利用の計画の推進や幹線道路整備の促進、下水道事業の経営権を民間に譲渡し運営するコンセッション方式の導入等の推進が必要であり、私はその実行のために副市長に任命されたと思っています。

まぐろの水揚げで全国に名を馳せる三浦三崎港

市役所の職員の中で理工系の学校の出身者は多くありませんが、職員として行政に携わる中で、あらゆる状況をデータ分析し、その傾向から対策を検討し、設計計画を実行する。このプロセスには科学的思考が不可欠です。また、市民(人)の生活に密接にかかわる市役所の仕事は、東京電機大学の理念である「技術は人なり」を実践する場所だと感じています。これからも、まちづくりに貢献するため、多くの方に思いを巡らせながら、想いのこもった技術を使っていきたいと思います。

学園広報誌「TDU Agora」Vol.58(2022年11月号) 働く電大人より転載

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