きっかけは、高校時代に受けた生物の授業。大腸菌にインスリンの遺伝子を導入する実験が面白く、生物の体内で起こる反応について興味があったことから生命科学系を志望しました。特定の分野ではなく、生命科学全体に興味があり、電大なら幅広く学べると入学を決めました。
「生命科学」の授業では、アミノ酸の略号や構造式などを履修。略号とはアミノ酸をアルファベット1文字あるいは3文字で表したもので、それぞれ1文字表記、3文字表記と呼ばれます。授業や論文内では当たり前のようにこれらを使うため、必死に覚えました。また、構造式を学んだことでアミノ酸の基本性質を理解でき、以降の授業の理解度も高まりました。
「生命科学基礎実験 Ⅰ・Ⅱ」は初めての生物系実験の授業でした。物理や化学系の実験は経験済みでしたが、元来、遺伝子研究に興味があった私にとって、この授業は特別なものでした。オンラインではあったものの、先生が行うさまざまな実験を観察でき、実験作法、生物系レポートの書き方などを学べて、研究者としての第一歩を踏み出せた気がします。
「分子生命科学実験Ⅱ」では、マウスの解剖を体験。教科書でしか知らなかった生物の体内組織をこの目で確認でき、机上の学びが現実と結びつきました。実験結果の考察には今まで学んだ知識を活用。一見関連性がないように思える授業の知識も役立ち、多面的に学ぶ重要性を理解しました。
論文抄読会では、研究に関連する英語論文の内容をまとめた資料を作成・発表。専門外の人にもわかりやすく説明する力が養われました。卒業研究では分子量の異なるヒアルロン酸をリンパ球の一種のT細胞に作用させ、細胞機能の変化を研究中。免疫制御療法に役立てたいです。
大学院では現在の研究をさらに深化させたいと考えているほか、英語力も伸ばし、海外の学生が集う台湾での研修プログラムへの参加を希望しています。研究者として、さらなるステップアップを目指します。
研究活動のリフレッシュに欠かせないのが、スノーボードや旅行などのアウトドアレジャーです。自然の雄大さに癒やされたり、体を動かしたりと、パソコン画面から離れ、非日常を味わうことで気分転換になります。