電大に進学した高校の先輩から実験・実習が多いと聞き、興味を持ちました。機械工学を幅広く学びたかったので、本学科を志望。栃木県の実家から約1時間30分で通えるのも魅力でした。
「ワークショップⅡ」では、4人1組で5カ月かけて重量挙げロボットを製作。私の班は全員が普通科の高校出身で、ものづくりの経験がなく不安でしたが、高校で学んだ物理の知識を生かして意見を出し合いました。授業の最後に、持ち上げた重量を各班で競う学科全体のトーナメントが開催されました。惜しくも3回戦敗退でしたが、ディスカッションしながらアイデアを形にする楽しさと、時間内に完成させて目標をクリアする難しさを同時に体験しました。
「機械設計製図Ⅰ・Ⅱ」では、3回の授業ごとに1枚の手書き製図を仕上げ、製図の基本ルールを習得します。授業では全てが教えられる訳ではなく、教科書に載っていないことを調べる必要があるなど、学生自身に考えさせることを重視していました。ボルトやナットを製図する際には、加工者がつくりやすいように材質や形状を考慮する必要があります。設計者の意図を正確に伝えるだけではなく、加工者の工程にまで配慮した製図が重要だとわかりました。
「先端機械設計製図Ⅰ・Ⅱ」で、CADを使用した本格的な設計を学びました。前期は見本図面を模写し、CADの使い方を習得。後期は仕様書に従って、プレス抜型図を完成させました。毎週課題を提出し、合格を得るまで修正するので、修正図面がたまってしまうことも。課題の寸法と仕様は各自異なるので、2年次までの材料力学・機械力学などの知識を総動員し、自分で考え抜く力が身につきました。
研究室では、「ステンレス鋼のレーザー熱処理加工」を研究しています。このテーマを選んだ理由は、材料工学という汎用性の高い学問をしっかり身につけたかったから。もう一つは、熱処理を駆使している現場をインターンシップで見学し、重要性と将来性を感じたからです。目標は、硬質で脆くないステンレス。研究は、正解が用意されていません。関連論文を調べ、教授の助言を受けながら試行錯誤して進めています。
たくさんの実験・実習で失敗とチャレンジを繰り返し、教科書を読むだけでは学べない知識と技術、問題に取り組む姿勢を身につけることができました。内定先では、土木作業や災害復旧作業で活躍する建設機械の心臓部である油圧機器の開発に携わる予定です。今後もチャレンジ精神を忘れず、社会インフラ整備に貢献できるエンジニアを目指します。
ワンダーフォーゲル部に所属。昨年は自前のミラーレス一眼カメラを持って、月1回、山に登り、出会った景色や思い出を写真に収めていました。写真は、南アルプスの小仙丈ヶ岳です。