滝野 蓮 さん
最終所属:理工学部 理学系
卒業年月:令和2年3月卒業
現所属:山梨県公立中学校
担当科目:理科
教員を目指そうと思ったのは高校3年の夏ごろだったと思います。進路について考える中、自分の今までを振り返り教員という職業が浮かびました。自分がお世話になった先生方の姿から教員という職業に興味を持ち、自分も将来を担う子ども達の成長に携わりたいという気持ちが強くなりました。
教育ボランティア等の経験がなかったため、実際に生徒と触れ合う初めての機会でした。実習中に痛感したのはやはり教えることの難しさです。全く知識のない子ども達に一から教えることは非常に難しいことで、言い回しや言葉のチョイスなどいかに子ども達に伝わりやすい方法をとるかを考えなければいけません。当時の指導教員の先生に教えていただいたノウハウは、今でも役立っています。
〔筆記試験(専門教科、一般教養、論作文等)〕
試験対策は受ける自治体によって異なると思います。自治体によって難易度や出題傾向、配点は全く異なります。山梨県を受けた私の例ですが、教職教養に含まれる教育心理や教育史は山梨県の試験にはほとんど出題されたことがなく、私はその分野の勉強はほとんどしていません。筆記試験に関してはとにかく過去の出題傾向の分析と試験内容(配点等)の確認をおすすめします。
論作文の勉強を始める時期は、雑誌などに掲載されている理想の日程のようにはいかないと思います(私は無理でした)。一次試験で手いっぱいだったので、一次試験終了後に取り組もうというのが当初の私の計画でしたが、一次試験に落ちてしまったと思っていた私は一次通過後に勉強を始めました。そのため約二週間という勉強時間でした。過去問などからテーマを選び、一日4,5本のペースで小論文を書きました。そして、知り合いの先輩教員に添削をお願いしました。
〔人物試験(面接試験)〕
試験問題についても自治体によって異なります。私の受けた自治体の場合は過去問とほとんど同じ内容でした。まずは出題傾向の把握が大切です。
本番さながらの雰囲気で、同級生や同じ試験を受ける仲間、現役の教員を相手に練習すると、多くの刺激を受けることができます。面接に関しては「慣れ」が大切なので、始めは恥ずかしさやうまく言葉が出てこなかったりしますが、これを克服するには経験あるのみです。
理科を担当していますが、いかに身のまわりの事象と結びつけるかを意識して授業を行っています。「こんなものが関連しているよ」だけではなく、学習したことがどのように関係しているのか、複雑な関係をかみ砕いて説明しなければ生徒の心はつかめません。生徒たちは勉強が自身の生活などに結び付かないと学習の意義を理解することができず、なかなか興味を持ってくれません。そうなると生徒から「この勉強って役に立つの?」と聞かれることがあります。そのたび授業の反省をします。逆に説明がうまくいくと興味をもって、積極的に学習したことを生活に生かしてくれます。学んだことがどう役に立つのか説明し、身の回りにも目を向けてもらうことが大切だと思います。
自分が話した言葉を大切にしてくれる生徒がいるとやりがいを感じます。大げさかもしれませんが、自分の言葉が誰かを変えると考えると、責任も大きく、夢があるなと感じます。私はまだこの仕事に就いたばかりなのでこれから多くの出来事があると思いますが、今後の教員生活が非常に楽しみです。
決して簡単な仕事ではありません。生徒に勉強を教えるだけでなく、部活動指導、生徒指導、保護者対応、行事の計画・運営など、正直教員はここまでやらなければいけないのかと思うことも多々あります。学生の間はその大変さを想像することはできないかもしれませんが、覚悟をもって教員を目指してほしいと思います。まだ教員2年目の私はやりがいを感じる余裕はありませんが、周りの先輩先生の話を聞くと、部活での生徒の成長の話を自分事のように話していたり、教え子との再会の話などとても楽しそうに話しています。教育の効果はいつ現れるかわかりません。今この瞬間からかもしれないし、数年後かもしれない、はたまた一生現れないかもしれません。本当に根気のいる職業だと思いますが、その結果から得られるものはとても大きなものではないでしょうか。先輩先生のような話が私にも訪れるよう、日々努力していこうと思っています。
皆さんも、強い気持ちをもって教員を目指してください。応援しています。