卒業生メッセージ:K.Y さん

新幹線の技術革新は止まることはなく
勉強に打ち込む日々

K.Y さん

東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
新幹線鉄道事業本部 東京交番検査車両所
K.Y さん


2009年3月 工学部 機械工学科 卒業
茨城県/県立取手松陽高校 出身

新幹線に関わるさまざまな業務を経験

 超電導リニアや新幹線の海外展開など、常に挑戦し続けるJR東海の企業姿勢に共感し、車両・機械系統プロフェッショナル職として入社しました。まず、品川の大井車両基地で新幹線車両の整備士としてキャリアをスタート。6年間ほど現場で車両の各種メンテナンスに携わったあと、新型車両を設計開発する部署に移りました。8年目にはイギリスの鉄道安全標準化委員会(RSSB)という公的機関で1年間、調査活動に従事。RSSBは鉄道の安全で効率的な運行を指導・援助する役割を担っており、そこで技術基準が定められるプロセスなどを学びました。ヒューマンファクターチームの一員としてプロジェクトに参加し、鉄道会社を視察したり、日本のやり方を紹介したりと、多彩な活動を経験することができました。帰国後は、台湾新幹線の技術支援を担当。現在は大井車両基地に戻り、車両のメンテナンスを行っています。
 当社にはジョブローテーションという制度があり、私もこれまでいくつかの異動を経験しながら新幹線に関わる広範な業務に携わってきました。機械に興味があるだけではなく、システム全体を俯瞰して見るのが好きなタイプなので、いろいろな職場で経験を積むことができたのは、自分の特性に合っていたと思います。

K.Y さん[SIDE STORY]
将来の夢は、高速鉄道を海外展開する際に車両メンテナンスのプロフェッショナルとして関わり、技術支援や現地スタッフへの技術指導を担当すること。そのために、スタッフを指導するスキルに加え、海外のスタッフと議論する場面に備えてコミュニケーション力も向上させたいと考えている。

技術者として生きるうえでの姿勢を考え始めた授業

 電大の学びを振り返ってみると、今の業務に生かされている授業のひとつが「技術者倫理」です。技術者がミスを犯せば本人の責任だと思っていましたが、この授業によって、企業全体の責任であることに気付かされました。将来、技術者として生きていくうえでの姿勢や考え方といったものを意識するきっかけになった貴重な体験でした。
 就活は、学生支援センターでさまざまな話を伺いながら進めました。面接は苦手でしたが、回数を重ねると自分の言葉でしっかり話せるようになったことを覚えています。
 新幹線の車両は、常に最新技術を取り入れて性能の向上が続けられています。車両を構成する各機器にはセンサーがついており、走行するたびに集められる膨大なデータを分析しています。たとえば、車両が故障する前に現れる予兆を見つけて、それが出たら故障が発生する前に予防的なメンテナンスをするといったデータの活用が進められています。
 技術革新が止まることはありません。だから、私は入社して10年以上たった現在も勉強が欠かせず、むしろ大学時代より勉強しているのではないかと思うくらいです。自分の中に新しい知識が蓄積され、それにともないものの見方や考え方が変わっていきます。今、私は楽しみながら学ぶ日々を過ごしています。

DENDAIの思い出

2年次に、大学主催の短期留学に参加してオーストラリアへ。初めての海外でいろいろ苦労しながらも、語学能力だけではなく、多様な考え方に対する視野が広がり、自分が成長する貴重な体験になりました。これをきっかけに海外に興味を持ち、3年次にはカナダのトロントへ。以来、10カ国以上を訪れました。就職してからも1年間のイギリスへの駐在や、台湾新幹線の技術支援を経験しました。

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