卒業生メッセージ:K.T さん

自分の手がけた建物が人々で賑わっている
それが私の誇りであり喜び

K.T さん

大成建設株式会社
東京支店 建築第五部
K.T さん


1999年3月 大学院 工学研究科 建築学専攻(現 未来科学研究科 建築学専攻)修了
神奈川県/県立横浜翠嵐高校 出身

細分化され多数が関わる工程をひとつにまとめ上げていく仕事

 父が大成建設に勤めており、小さい頃から会社の方々によく面倒を見ていただいた思い出があります。風通しがよくアットホームな社風に憧れ、当社を選びました。
 入社して2年間は関東支店に勤務して前橋の病院建設に携わり、その後は主に東京支店で府中競馬場や新宿の再開発ビル(マルイ)、ソフトバンクのデータセンター、シャネル銀座並木ビル、世田谷の馬事公苑、ヒューリック銀座六丁目ビルなどを担当。現在は山梨で研究施設の建築に尽力しています。
 ビル建築の工事の作業は非常に細分化されています。掘削土工事を行い、コンクリートを打設して基礎をつくり、鉄骨を建て、外装をつくり、内装を施して各種設備を取り付ける。それぞれが分業で多数の専門業者が関わるので、それらをひとつにまとめていくのが総合的に管理する立場であるわれわれの仕事です。工程表をつくって管理しますが、すべて予定どおりに進むとは限らず、それをいかに調整して期日までに竣工させるかが重要です。建築主であるお客様や設計事務所、多数の専門工事業者や近隣住民などと、建築の専門知識を生かしつつコミュニケーションをとっていくことが求められます。

K.T さん[SIDE STORY]
都心部を中心として著名な建物をいくつも担当し、データセンターやJRA関連の建築も複数経験している。子どもの頃、父の同僚の方々にスキーや釣りに連れて行ってもらった記憶がある。当時は日本中が好景気に沸き、建設業界も大変忙しかった中で、仕事だけでなくプライベートの時間も全力で楽しむ大人たちというイメージだった。

建築の仕事は変化してもその醍醐味は変わらない

電大では設計から構造、材料、設備、施工、都市計画など多くを学び、自分の進路を選択するうえで役立ちました。はじめは設計志望でしたが、幅広い選択肢の中から建築施工分野に興味を持つようになりました。
 今、建築の世界にもIT化やDXの波が押し寄せています。社内のシステムはデジタル化され、私が入社した頃は2Dだった図面が3Dになりました。お客様は、3Dのほうが理解しやすいでしょう。AIやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用も始まっています。建築の仕事はだいぶ変化してきましたが、変わらないものもあります。当社は「地図に残る仕事」というキャッチフレーズを掲げていますが、自分が手がけたビルを数年後に訪れ、そこに人々が行き交って賑わっているのを見ると、誇らしい気持ちと喜びが込み上げてきます。これこそ建築の仕事の醍醐味であり、社会の移り変わりにともなって建築を取り巻く環境が変わったり、工法などが進化しても、不変であり続けると信じています。
 建て直しや再開発、リフォーム、リノベーションなど、今後も建築の仕事がなくなることはありません。むしろ、最近では資源の有効利用や街並みの景観といった観点から、「100年建築」ということもいわれているほどです。新しい時代の要請に応える建築を担う人材が、今求められています。

DENDAIの思い出

4年次の研究テーマは、コンサートホールの視角について。客席からステージがどのように見えるか、前席の客の頭で遮られないかといったデータを集めるために、北海道から九州まで、全国各地のホールを訪れました。さらに、フランスのオペラ座やドイツ、オーストリアのオペラハウスに出かけて、普通は入れない舞台裏まで見学できたのは一番の思い出です。

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