ものづくり 一目見れば納得、タッチ式メジャー

ココがポイント

「一目見れば納得、タッチ式メジャー」

従来から、被測定物の周囲長を測る場合は巻尺テープを使い目視で目盛りを読み取っている。また、磁気テープ製の巻尺の引き出された長さを磁気センサーで読み取る高精度なデジタル表示式メジャーも使われてきた。
3年ほど前に行われた足立区内の計測器メーカからの技術相談をきっかけに、吉田先生はそれとはまったく異なる方式の寸法測定装置‘タッチ式メジャー’を考えついた。
電流源を用いることで、抵抗膜の抵抗率をあらかじめ知らなくても、高精度に1点タッチ、2点タッチの位置特定が可能となる。2枚の帯状の導電体を接触させないで一定の間隔を保ちながら対向させ、区分け用の絶縁スペーサを挟み、その上から被覆して一体の帯を作る。帯の上面または下面のどちらか一方について、その片側に定電流源を接続し、他方側を接地する。帯状メジャーの表面を指などで押すことで、帯の端から押し点までの距離を自動検出し、1点タッチは端からの距離を、2点タッチは2点間の距離を測る。測定値はPCに転送して記憶する。被測定物の複数の測定箇所にわたってメジャー部を沿わせながら、複数の箇所の寸法を連続して測定できる。測定値を読み上げる等の測定作業者の負担が軽減され、また測定ミスを減らすことにつながる。
測定分解能、帯状メジャーの柔軟材への改善、コントローラユニットの小型化など実用化する上で取り組む課題を抱えているが、アパレルや宅配業界での採寸、メタボ健診など計測用途は広く、また新しいセンサーへの応用が期待できる。
図1に検出原理を、図2に試作したタッチ式メジャーを示す。

【出願情報】
発明の名称:「測定装置」
出願番号:特願2014-221143
出願日:平成26年10月30日

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