(序文より)
本学園は創立以来「技術で社会に貢献する人材の育成」を使命に、建学の精神「実学尊重」、教育・研究理念「技術は人なり」のもと、教育の充実を重視し「学生・生徒主役」の学校を目指している。そして、社会環境の変化にも適応し輝き続ける東京電機大学の実現を目指すべく、令和5年度までの10年間に亘る「学校法人東京電機大学中長期計画~TDU Vision 2023~」(以下「中長期計画」という)を策定し、令和元年度に後半5年に向けた改訂版を作成した上で、各事業を推進している。
令和5年度は、長引く新型コロナウイルス感染症の対応を進めながらも、「本学園の学生・生徒である、あったことを実感できる」ことを決して疎かにせず、引き続き目標達成に向けて策定した各事業を推進し、中長期計画(改訂版)の最終年度を締めくくる。
大学においては、引き続き理工系大学のトップランナーの一員たる評価確立を目指し、教育・研究の更なる充実に努める。令和4年度から開始した新カリキュラムでは、質の高い教育を着実に推進するとともに、完成年度に向け学修到達度等の見える化を図る。大学院においては、学部との接続、連携を強化すべく、令和6年度から実施予定のカリキュラム改編の準備を進める。
また、IRデータの活用、ものづくり環境の充実のほか、社会人教育やグローバル化を進めるとともに、研究活動の活性化や社会貢献を積極的に推進し、就職環境の変化に対応したキャリア支援・就職支援を行う。特に令和5年度は、本学の内部質保証システム全体の点検・評価として、認証評価を受審する。
中学校・高等学校においては、新学習指導要領に対応した新教育課程の実施状況を確認し、大学入学共通テストを念頭においた進路指導及び学習指導体制の充実、大学との連携推進を図る。中学校・高等学校における収支改善では、令和5年度に実施する学費改定とあわせ、さらにサポート募金の収入増や経常経費の削減を図り、教育目標を軸にした中長期計画の実現に寄与することを目指す。
財政健全化については、施設・設備の改修・更新事業の予算規模の適正化、教員の61歳以降の処遇の変更決定に対する付帯事項に基づき、人件費の最適化により収支改善を図る。その一方で令和5年度は、ウクライナ情勢や急激な円安によるエネルギー価格の高騰などの外部要因、情報インフラのクラウドサービス利用への転換による内部要因が財政に影響を及ぼすことも想定されるが、休退学者の縮減、外部研究資金や各種補助金の獲得のための施策に引き続き取り組むことにより、将来に亘って持続可能な財政基盤の確立を目指す。
ガバナンスの構築及び運営組織の見直しでは、令和6年度以降の中期計画の策定、学内周知などを含め更なる運営体制の強化を目指す。
その他、キャンパス計画の推進、情報システムや施設・設備の計画的な更新、校友会との一層の連携強化などを図る。
様々な分野で対応が進むSDGsやイノベーション、Society5.0への取り組みについては、異なる分野の融合が前提であることを踏まえ、従来の手法に捉われない学生の自由な発想を大事にした知の創造や「ものづくり」の教育・研究において先導的役割を果たしていくことを目指す。
本学園は学生・生徒主役を旨とし、特色ある教育・研究を見える化し推進、新たな取り組みに挑戦し続ける文化を継承、運営体制の強化を図り輝き続ける強い学園の実現を目指す。