2021.04.01
開講学部 | 未来科学部/建築学科 未来科学研究科/建築学専攻 |
科目名 | 建築都市デザイン(建築学科) 地域施設計画論(建築学専攻) |
担当教員 | 山田 あすか |
未来科学部建築学科開講科目「建築都市デザイン」では、建築や都市空間での人間の行動特性とそれに応じた環境デザインのあり方を主題として、講義内および講義前後の自主学習を利用した演習と、その解説を基本とした講義を行っている。演習と解説の講義ターム後、学生たちが提出した演習課題を2〜3名のグループに別れて集計・分析・考察した後、その成果をトーナメント方式で発表し相互に講評する機会を設けている。これによって、①グループ学習による相発的な学び、②課題解決型学習による研究的手法の基礎を身につける、という教育手法を構築している。
未来科学研究科建築学専攻開講科目「地域施設計画論」では、自らの興味関心と専門性をもとに建築や都市の空間における要配慮者(こども、高齢者、障碍者、子連れ者、他言語使用者等)視点での課題を発見し、その解決方法を提案する演習型講義を実施している。
昨今、大学院進学率向上や多様なメンバー構成での協同能力がより重視されるに際し、これらの学部・大学院生向け講義をそれぞれでの積み重ねの上で部分的に融合することで、学年を超えた学び合いの関係をつくる縦型共同学習の講義の実施を試みる。これによって、講義の主題に関する学びに加えて、上級学年である院生には卒業研究やゼミ学習で培った研究スキルを発揮しリーダーシップやファシリテーションの能力を、また学部生には、その後の研究室活動や大学院での学びへの見通しを醸成する。
【グループ分けの方法】
・学部:学生に課題リストを提示し、興味のある課題を選ばせる。選択結果と、前学期の必修科目の履修状況(講義参加状況と成績)を勘案して決定
・大学院:興味のある内容を発表させ、その内容をもとに研究室が分散するように決定
・大学院生ファシリテーターと学部生グループ:個々人の興味関心と能力(前半2/3までの課題提出の状況等)を勘案して決定
【授業環境】
・Zoom(2020年度前期につき)
【問題の提示方法】
・課題リスト提示および講義内での体験実習、自宅等の日常環境での観察の指示
【成果発表方法】
・トーナメント方式
グループ課題が多いため、「グループ得点」だけを積み上げると、受講生に差がつかず成績をつけにくい。また、グループワークにおけるメンバーの貢献度を反映し、学生のモチベーションと公平性に関する満足感を支援する必要がある。評価システムは以下の通り。
(1)「個人として評価される部分」の比率は最低50%、できれば60%。このため、個人で取り組む課題やまとめのレポートを課す。
(2)グループワークでは、各人に貢献度を尋ね(ほかの受講生からは見えないように)、これをグループ得点に掛けた数値を個人得点とする。ただし、グループの人数によって貢献度のベースに差が生じるため、課題の難易度と併せて若干の調整あり。
(3)成績評価とは別に、必ず全員に発表の機会をつくる。トーナメント方式で相互評価をすることで、平行して発表が進行できる。この方式で、全受講生プレゼンテーションの発表機会を保証。
【学部】
トーナメント方式での相互プレゼンテーションと、ピアレビュー。他の班のプレゼンテーションに対するコメントを書かせる。他者評価をすることによって自己の取組みや能力を振り返る。
【大学院】
課題ごとのプレゼンテーションとピアレビュー、相互の質疑応答の機会を設ける。また、まとめレポートにおいて自分の専門分野へ、どのように活かすか等も考えさせる。
仕組みも大切ですが、PBLの質は最終的には人手であると考えます。それがないようにも設計できますが、フィードバックと個別指導があれば格段に質を上げられます。相互評価を行わせればかなりの部分は自己解決できますが、より高みに・時間内で、到達しようとすれば介入サポートが必要です。
【学部】
前半2/3:学生自身が選んだ課題に体験的に取り組み、それらの課題を含む各回テーマの解説講義を聴く。
後半1/3:学生自身が選んだ課題により2〜3人のグループをつくり、集まった課題の集計・分析・考察を行う。
【大学院】
前半2/3:各々の興味関心に応じてグループをつくり、相談を経て設定する課題に体験的に取り組む。
後半1/3:学部生のグループへファシリテーターとして加わり、集計・分析・考察の指導を行う
〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)
東京電機大学教育改善推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。