芝浦工業大学グローバルPBL参加学生レポート

2020.01.20

芝浦工業大学主宰「グローバルPBL」に参加した理工学研究科 多積直之さんの参加レポートをご紹介します。このプログラムは芝浦工業大学から他大学へ募集があり、東京電機大学からも毎年電大生が参加しています。「課題」に対して、他大学の学生や海外からの留学生と一緒にチームで「解決」を図ります。語学力だけでなくコミュニケーション力や協働力を高め、問題解決へとつながる総合的な力を養います。

【実施概要】
期  間 2019年12月11日~2019年12月21日
場  所 芝浦工業大学 大宮キャンパス
学外研修 ホテルサンバレー那須(栃木県那須郡)
言  語 英語
Global PBLとは プログラムに参加する企業が抱える「解決したい問題」をテーマ(課題)に、芝浦工業大学と国内他大学、海外協定校の学生とプロジェクトチームを作り、解決の方策を考えます。参加する日本人学生は、英語での議論、異なる文化、バックグラウンドの中で一緒に考えることが求められます。語学力だけではなく、コミュニケーション能力を高め総合的な問題解決能力を身につけていきます。一方、企業にとっては内外の学生による新しい着眼点や発想を得るだけでなく、人材開発の面でも新たな発見が期待されます。
芝浦工業大学 2019年度Global PBL募集要項より

芝浦工業大学グローバルPBLに興味のある本学学生は、教育改善推進室にご相談ください。
お問合せはメール(oed"アット"jim.dendai.ac.jp)にてお願いします。その際には件名を明記してください。なお、毎年募集があるとは限りません。

活動概要を教えて下さい

 このグローバルPBL(global project based learning、以下PBL)は芝浦工業大学と国内他大学、海外協定校の学生とで共同プロジェクトチームを作り、解決の方策を考えるプログラムです。本プログラムの参加企業が抱える「解決したい問題」がテーマ(課題)で、参加する日本人学生は、英語での議論、異なる文化、様々なバックグラウンドの中で「一緒に考えること」が求められます。このプログラムでは語学力だけでなく、コミュニケーション能力を高め総合的な問題解決能力を身につけられます。

どのような国からの参加者がいましたか

 海外からはタイ、中国、モンゴル、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ブラジル、オランダ、ポーランド、台湾、インド、カンボジア、ブルネイ、オーストラリア、ベトナムからの留学生49名。日本からは芝浦工業大学の学生と他大学からの学生もまじえています。全体参加者は88名でした。

どのような活動をしたのか教えてください

私の所属したグループは日本人3人、タイ人2人、モンゴル人1人の6人で構成されていました。私は今年度もリーダーを務めることになりました。
今回のグローバルPBLプログラムでは課題が設定されておらず、フリーテーマであったため、自分たちで課題を考える必要がありました。私達は、国連が定めた2030年までに解決されるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つである「Good for Health, & Well Being」を達成するためにできることを課題として選びました。人々がより健康になるためのアイデア出しとして、最新技術を導入したフィットネスセンターを提案しました。我々のグループは、まず人々の健康に関する意識と抱えている問題を知るために、渋谷駅で日本人や外国人に対してアンケートを行いました。その結果、多くの人々がストレスを抱えて生活を送っていることがわかりました。私達はこの結果を踏まえて、体を鍛えることではなく、ストレスを解消することを目的としたフィットネスセンターの提案を行いました。

参加したことでどのような成長がありましたか

他者と共同作業をする際に必要となるコミュニケーション能力が身に付きました。グローバルPBLプログラムは、英語による議論が中心となるため、日本人の英語力では、チームメンバーの言っていることが分からない、議論についていけない、言いたいことを正しい英語で表現できないといった様々な問題が起きます。私の場合も英語力が上がったとは言え、議論のペースについていけなくなることが多々ありました。この場合は、議論を遮ってでも自分の意見を主張する必要があります。周りの雰囲気に合わせているだけでは、自分のアイデアが通ることはありません。日本人は議論することに慣れていませんが、英語力以外のコミュニケーション力やディスカッション力が必要だと痛感しました。ここで培われた経験は特に就職活動や国際学会での発表で大いに役立ちました。就職活動では、グループワークを行う機会が多くあります。見ず知らずの学生が集まり、グループ内の誰かがリーダーを務めることになります。このような場面でも私は自然と発言できるようになっていたため、即興で作ったチームでもリーダーを任されることが多くありました。
グローバルPBLは参加する度に新しい発見がありました。この経験は私が社会人になったときに、大きな財産になると確信しています。それほど素晴らしい体験でした。

今後はどのような部分を伸ばしたいですか

私は、グローバルに働くことができる人間になりたいと考えています。ビジネスレベルで英語を使うことを考えた際、文法の正しさや語彙力も大事ですが、自分の言いたいことを瞬時に要約して発言できる能力が必要だと感じました。英語で会議を行うときは、自分の考えを瞬時に発言できなければ、自分への信頼や評価を受けることができません。会議に関わる全ての人に迷惑をかけることになり、様々な機会を逃してしまう結果になります。この能力を伸ばすには、座学のみの勉強では不十分で、生きた英語を使う実践が不可欠です。これからも実際に英語を使うチャンスがあれば、躊躇わず飛び込んでいきたいと考えています。

後輩学生にアドバイスをお願いします

自分の興味あることは主体的に取り組むべきです。大学生活は、学生の主体性が前提となっているため、自分から行動を起こさなければ、あっという間に過ぎてしまいます。取り組む内容は何でも良いと思います。私の場合は、国際関係の活動に力を入れてきました。日本で学んできた学生にとって、英語で行われるプログラムに参加することは決して簡単なことではありません。私も始めは外国人留学生が何を言っているのか分からない状況が、長く続きました。しかし、続けていれば身についてくるもので、まだまだ課題はありますが、日常会話程度であれば問題なく出来るようになりました。主体的に取り組んできたことは、就職活動時に企業から問われる「学生時代に力を入れてきたことは何か」という問いに堂々と説明できるだけでなく、自分にとって一生の財産になるはずです。大学生活を豊かなものにするためにも、積極的に頑張ってください。