平成28年度 PBL教育支援プログラム 成果報告書「総合英語Ⅱ」

2017.07.13

開講学部 未来科学部
科目名 総合英語Ⅱ
担当教員 大森 夕夏

Q1 PBLを導入した意図・目的

初級レベルの英語の授業において、英文法のリメディアル教育と英語を使用した実践的活動の両立を目的とする。そのために、英文法の学習はeラーニング教材を使用して授業時間外に行い、授業時間は理解の確認と英語を使用する活動に充てることとする。英文法の理解確認、英語を使用する活動はグループで行うことにより、コミュニケーション能力の向上を促す。

Q2 授業におけるPBLの実践方法

名札を無作為に配布してグループ分けを行い、4人1組のグループを作る。プロジェクトごとにメンバー替えを行う。
事前学習で解いた英文法の問題についてグループで意見を出し合い、理解できなかった問題をグループごとにまとめ、教員に質問する。
与えられたテーマについて個人で英作文を行った後、ペア間、グループ間でピア・レビューを行う。その後、グループ内で1つの英作文を選び、英作文の完成度を高める。この英作文にイラストなども加えてポスターを作成する。このポスターをさらに大きな模造紙に添付し、余白にコメントを記入できるようにする。“Gallery Walk”(アイランド形式に配置した机の上に各グループの作品を展示し、自由に見て回る)により、他のグループの作品を鑑賞する。他グループの作品の内容・英語表現について、英語でコメントを記入する(“Building a Silent Conversation”)。グループごとにコメントに使用するペンの色を決めておくことで、どのグループが質・量においてコメントがよかったかを判断し投票する。最後にクラス全体で英作文を1つずつ検討し、正しい英語表現を確認する。

Q3 授業における成績評価方法

TOEIC、統一文法試験以外の授業内評価は以下のように行った。
・小テスト20%
・eラーニング課題10%
・eラーニングで間違えた問題の書き写し10%
・学力考査 60%

Q4 学習成果の可視化の取組み

eラーニングでは学習状況がすべて記録されるので、計画的に学習する習慣が身についているかどうかを可視化して確認した。
WebClassのアンケート機能を使用して、各英文法の項目の理解度を可視化した。グループ活動についてもアンケート機能を使用し、最も魅力的なポスターを作成したグループ、最も充実したコメントを記入したグループを投票で決めることにより、各グループの積極的な取り組みを可視化した。

Q5 PBLを発展させるための課題

授業時間をグループ活動に充てるためにWebClassの授業外活用は効果的であるが、WebClassへのアクセスを徹底化する点において、改善の余地が見られた。
個人の積極的な取り組み、グループの積極的な取り組みに関してWeb媒体によるピア・レビューを試みたが、十分な集計結果を得られなかった。公平な評価が得られるように、評価方法を改善する必要がある。

Q6 授業の概要と進め方

第1回:授業ガイダンス
第2~13回:英文法に関しては、1項目につき2回の授業で完結する。1回目の授業でグループ活動により理解の確認を行った後、教員が解説を行う。2回目の授業で小テストを実施し、理解の定着を図る。
それ以外の時間は、英作文、英文読解を中心としたグループ活動を行う。それぞれの活動に対して、ピア・レビュー、コメント記入、英文添削、WebClassを使用したアンケートなどによりフィードバックを行う。
第14~15回:学力考査、答案返却、解説、まとめ


〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)

東京電機大学教育改善推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。