第79号　「2 代目校長 加藤静夫先生について」

　本学の前身電機学校の2 代目校長であった加藤静夫先生のお孫さんにあたる方が5 月に本学を訪問されました。先生関係の資料等を閲覧され、私ほか関係者との懇談の場も設け、有意義なひとときとなりました。

　加藤先生は明治13 年東京のお生まれで、東京帝国大学を卒業後、特許局、神戸三菱造船所、米国留学を経て、大正3 年に本学に就任。大正5 年の法人設立時に創立者の廣田、扇本両先生とともに理事校長に就任されました。以来、経営の重責を双肩に担い、高潔な人格、豊かな情操をもって校勢進展の中心として才腕をふるい、本学の興隆を導かれました。先生は、電気学会副会長などを務め学会の発展に尽力されるとともに、在任中には本学独自の電気実演室や水力発電所の設置、NHKより早いラジオ実験放送の開始、さらに高柳健次郎氏による日本初のテレビジョン公開実験やオーム社の独立などがありました。教職員の敬慕が厚く、早逝は永く惜しまれました。

　加藤先生は創立者の理事退任の際、「われわれは電機学校という組織的の一有機体に属し、その一分子として働いている。（中略）互助相愛の精神を持って始終する」ことが大切であると述べられたそうです。まさに東京電機大学人のスピリットを感じる次第であります。

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