第58号　「卒業式を迎えて」

3 月は卒業式シーズンです。本学も中学校・高等学校、大学と卒業式が挙行され、大学だけでも2,000 名を越える卒業生が巣立っていきました。私は卒業式で祝辞を述べますが毎年、卒業生諸君が本学で学んだことを胸に、社会に大きく羽ばたいて欲しいという思いを込めています。
さて、私は卒業式で常に思い出す言葉があります。それは明治41 年8 月に行なわれた本学最初の卒業式で、卒業生14 名を前に創立者の扇本校長が述べられたお言葉です。

「（前略）諸氏が蛍雪の功空しからず、遂に本校所定の学課を履修し、以て今日の月桂冠を得られたるは、諸氏の名誉たるのみならず、また本校の光栄とする所なり。（後略）」

明治40 年の創立時、創立者は高い志を持ちながらも現実は、校舎は間借り、職員は扇本、廣田両先生と事務員１人。学校と名乗るにおこがましい程でした。そうしたなか手塩にかけた卒業生は、教職員の誇り、それ以上に「学校の光栄」と表現されたのでありましょう。創立から100 年以上がたちました。創立時のその思いは今も変ることなく私たち教職員に受け継がれていると信じています。
卒業生諸君は私たち教職員の誇りなのであります。

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