2009.05.15
4月25日(土)に大学同窓会の総会が神田キャンパスで行なわれ、今年は猪瀬直樹氏をお迎えした特別講演会「この国のゆくえ」が催されました。先生は作家であり、小泉内閣では道路公団問題を担当、現在は東京都副知事を務められており、丹羽ホールは満席となりました。
講演では、日米開戦前に日本の若いエリートが冷静にシミュレーションを行い、敗戦の結論を得ていた事実を紹介し、道路公団や周産期医療問題などに取り組む先生の信条、また前例主義や予算主義が原因で、役所等でおこる、民間では考えられない様々な奇妙なできごとを、具体例を交えながら紹介されました。さらに都職員の夕張市派遣の成果や、二宮金次郎がなぜ薪を担いでいるかにも話が及びました。
私が特に共感したのは、「仮設をたてデータで分析すれば、正しい結論は導き出せる」という先生の信条、また「役所等の前例主義・予算主義は非常識な結果を招くことが多い」という内容でした。そしてその根本には「何のために仕事をしているのか」を理解することの重要性があると感じました。
実は、学校は役所に似ています。自分で考えず人の出した結論を鵜呑みにしていないか、自分の権益ばかり考え、目先のことだけを見ていないか。また予算をたくさん使うことが価値ある仕事をしたと勘違いしていないか、逆に予算がないから仕事ができないと考えていないか等、注意すべき点が多い気がします。
「学校は学生や生徒のためにある」のは自明であります。つまり「教職員は学生や生徒のために仕事をしている」のであります。私は教職員全員に、学校にきたら自分が本学の代表と考えるように、と言っています。これは教職員全員が「学生・生徒のために仕事をしているのか」を常に考えて行動しよう、というメッセージなのです。
☆☆☆理事長メッセージ 第1号(2009.05.15)☆☆☆
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