超小型衛星「TRICOM-1R(たすき)」に本学開発の通信アンテナが搭載

2018.05.15

2月3日に打ち上げられた、超小型衛星「TRICOM-1R(たすき)」に本学開発の通信アンテナが搭載され、打ち上げから3ヶ月経過後も正常作動しています。

本学、理工学部電子工学系の田中慶太准教授のグループは、東京大学大学院 松本健研究員(本学卒業生)と衛星搭載用テレメトリ・コマンドアンテナを共同開発し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が経済産業省から受託した事業で「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証)」で東京大学 中須賀真一教授の研究室が中心となって開発した超小型衛星「TRICOM-1R(愛称「たすき」)」(*1)に組み込まれました。

「TRICOM-1R(たすき)」は同事業でJAXA宇宙科学研究所が開発した小型ロケット「SS-520-5」に搭載され2月3日に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝属郡)から打ち上げに成功。

この事業では、民生カメラを用いた画像取得実験などを進めており、打ち上げから3カ月以上経過後も衛星からのテレメトリが正常に受信されること、地上局から衛星へのコマンドが正常に受信されていることを確認しています。

また本内容に関しては、第61回宇宙科学技術連合講演会(新潟市)の学生セッションにおいて、石川卓磨さん(本学大学院理工学研究科 2017年度修了・現 三菱電機株式会社勤務)が最優秀賞を受賞しました。

*1 超小型衛星「TRICOM-1R」
アンテナ部分を除く本体が縦横約12センチメートル、長さ約35センチメートル、重さ3.2キログラムの国産小型人工衛星。愛称は「たすき」。経済産業省が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に委託した宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証)で、東京大学大学院工学研究科航空宇宙の中須賀真一教授の研究室が中心となって開発した。高度が近地点で180キロメートル、遠地点で1500キロメートルの楕円軌道で飛行する。地上の端末から受信するデータを地上局に転送したり、搭載した民生カメラで地球の映像を撮影する実験を進めている。