第11号「安全・安心に挑む東京電機大学」

2017.04.20

 3月11日14時46分、法人・学長室の主だった人が集まって黙祷をささげ、6 年前の大惨劇で犠牲になられた方々に弔意を表しました。この東日本大震災は、私が未来科学部学部長を拝命する平成23年4月1日直前のことで、新学部長としてはこの大災害に対し、その復興にどのように貢献できるかが大きな課題で、大学の特色を生かすこれはと思うアイデアを探しました。

 現地の避難所、主に体育館等では、広い面積の中に多くの人がいるために、プライバシーが全く保てず、ストレスで体調不良になるとの声が聞こえてきました。本箱のようなちょっとした家具があれば、視野を遮ることができ、多少はストレスも和らぐとの話も聞こえてきました。

 この時、建築学科の八木敦司講師(当時)が素晴らしいアイデアを提案してくれました。段ボールで家具を作ろうというものでした。長持ちはしないが当座の役に立つこと、何よりも安くてすぐ作れるというのが魅力でした。即設計を行い、材料の段ボールの購入を行いました。作り手は学生にお願いしようと、全学に声をかけたところ、200人を超える学生が集まりました。八木講師の指導のもと、8人ほどの組で設計図に沿って段ボールをカットし、1週間で150組を越える家具が出来上がりました。写真右が出来上がった段ボール家具で、写真左は集まった学生に意義を説明しているところです。

 校友会福島県支部長の網田様や支部の皆様に現地との橋渡しをして頂き、現地から大変感謝されました。全学・卒業生が一体となったプロジェクトで、社会的にも教育的にも貴重な体験でした。東京電機大学はこのような形でも社会の安全・安心に今後も寄与していこうと、心に決めたプロジェクトでもありました。関係された皆様に深謝いたします。

制作開始時の情景と段ボール家具完成品写真 制作開始時の情景と段ボール家具完成品写真

☆☆☆学長メッセージ 第11号(2017.4.20)☆☆☆
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