2017.07.13
開講学部 | 理工学研究科 |
科目名 | バイオデータ解析 |
担当教員 | 根本航・田中眞人 |
大学院生向け開講科目であるため、受講生は多様な分野の研究室に所属している。専門分野の異なる学生同士が、グループ内で協力しあうことで、お互いの理解を補いあい、独力では取り組みえない問題を設定し、解決を目指すことを意図している。
【グループ分け】
受講生9名を5名と4名のグループに分けた。本講義では基本的な計算機操作に加え、場合によってはプログラミングスキルを必要とする場合もある。グループ分けに際しては、計算機操作に習熟している2名を別々のグループに所属させた。また可能な限り異なる研究室に所属する学生を同グループに所属させた。
【授業環境】
9月上旬にデータ解析の基礎を学んでもらうための7コマの講義を実施した。その後、必要に応じて解析方法の講義をはさみながら、グループ学習を通して最終発表のための準備を進め、1月下旬に最終発表会を開催した。
【問題提示方法】
次世代シーケンサーで解読されたゲノム配列のショートリードデータをFASTQ形式で配布した。どこの国の誰に由来するデータであるかは秘匿した。「このゲノムを有する個人はどのような人だろうか?『どのような』をどう解釈するかはグループごとに判断すること」と問うた。
【成果発表方法】
持ち時間最低30分のプレゼンテーションを行わせた。メンバー全員が必ず発表することとした。
プレゼンテーション:レポート:講義への参加・取り組み状況=60:20:20
【プレゼンテーション】
2グループ間対抗で行わせ、教員とTAが採点を行った。解析データの解釈の正しさを重視した。
【ライティング】
グループ学習に入る前の段階で、ゲノムデータを利用してどのような解析ができるかについての調査レポートを提出させ、調査量に応じて、5段階評価を行った。
1.大学院生が複数人集まって議論する場の学系内での確保
2.秋〜冬にかけて学会が集中するため、その前に集中講義を終了する
3.解析内容が類似する傾向にあるため、多様な目標設定を促す仕組みの構築
4.今年度については、共同で一つの解析を行うのではなく、メンバーそれぞれが異なる解析を行う傾向にあったため、共同作業をうながす仕組みの構築
履修者が
1. ゲノムデータを取り扱えるようになる。
2. タンパク質データを取り扱えるようになる。
3. 遺伝子発現データを取り扱えるようになる。
4. 低分子データを取り扱えるようになる。
5. データの可視化ができるようになる。
6. ばらつきのあるデータの取り扱えるようになる。
7. ブラインドタッチに習熟する
8. UNIX/Linux 環境でのコマンドライン操作に触れる
9. スクリプト言語による初歩的なプログラミングに触れる
10. オープンソースソフトウェアのダウンロードとインストールができるようになる
第1回:ガイダンス
第2回:解析ツールのインストール
第3回:NGSデータ解析
第4回:統計解析基礎
第5回:バイオ関連データベース実習
第6回:バイオデータ解析ツール実習
第7回:Pythonによる解析基礎1(入出力、基本的な関数)
第8回:グループワーク(解析の方向性について議論)
第9回:Pythonによる解析基礎2(各種バイオデータのフォーマットの理解とデータの抜き出し)
第10回:グループワーク2(解析の方向性の決定)
〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)
東京電機大学教育改善推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。