第18号 「教えることの原点」

2010.04.20

 今回は、「教えることの原点を探る」という研究ノート(*1)を読んだ感想を述べたいと思います。そのノートはこのように書かれていました。

 とかく大学教員は、教育効果が上がらない原因を学生のせいにしがちです。そうした際、教育の目的は知識や技術の吸収に限られ、教える科目や教授法ばかりが議論の的になります。しかし本来、教育効果の有無は、学ぶ喜びを通して「学生が自主的に学習する能力を身につけたか」にあると言えます。この効果をあげるためには、教員が知識を学生に教えながら、教員自身が深く自己を見つめ、育て、自分自身が何者で、何が使命なのかを学生に知らせることが重要と思われます。これこそが教育の原点といえるでしょう。つまり、教員の人間性は、教育実践において非常に重要な要素なのです、という内容でした。

 創立者である廣田精一先生は、「各教科目の先生の人格上の詮議こそ重大事」であると指摘されました。また私も学校は、学生と教職員が共に育つ“共育”の場であると常々言っています。現在、大学では組織的な教育改革が進み、本学も大学基準適合の認証を受けました。組織的改革、学習到達度や教える技術はもちろん大切です。しかし最も重要なのは、教職員自身の意識改革であると考えています。

 この研究ノートは、本学で30年以上教鞭をとられてきた先生が書かれたものです。長年の経験を背景に、実感のこもった文章に、大変共感し、紹介させていただいた次第であります。

「東京電機大学総合文化研究」 「東京電機大学総合文化研究」

学生と話す丹羽保次郎初代学長 学生と話す丹羽保次郎初代学長

☆☆☆理事長メッセージ 第18号(2010.4.20)☆☆☆
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